炭素繊維を使用した大規模耐震補強編

内外部解体後の写真です。昭和56年以前に建てられた本邸宅も筋違いや基礎が不足して倒壊の危険性が大きい状態でした。またこの当時の基礎は不安定な独立基礎や鉄筋の入ってない布基礎が一般的でしたがこちらも同様の基礎でした。

基礎の所どころにクラックがありましたがここは専用の補修材で処置します。

今回の基礎補強には炭素繊維シートを使いました。公共工事で老朽化した橋梁や橋脚の補強工事にも多数採用されています。

 

最初に下地処理後の専用プライマーを塗布します。

続いて接着剤塗布後、炭素繊維シートの貼付けをします。基礎の強度が弱い換気口周りにも炭素繊維シートを重ねるように連続して貼付けます。

 

新しく耐力壁を設置する場所に基礎がない場合は基礎を追加することで地震に対する抵抗力が増えます。



炭素繊維補強材とは

●簡単で低コスト
従来に補強方法にある制約に左右されず基礎に炭素繊維を貼り付けるだけで補強を実現。材料費を含めても、工費は安価です。

●特徴
重さは鉄の4分の1、強さ(引張り強度)は鉄の10倍、錆びない。

●豊富な使用用途
 橋や高速道路の補強、飛行機、煙突等の補強にも多岐に亘ります。


2階の補強工事後の写真です。

補強計画上で筋違いもこれだけ入れないと耐震対策とはなりませんでした。

建物規模、間取り、窓や壁の位置によって耐力壁となる筋違いや構造用合板の取付方が変わります。複雑な計算になりますがその計算結果で耐力壁の仕様が決まります。

家全体の耐力壁のバランスが取れてないと補強の意味がありません。それを怠ると部分倒壊の恐れがあります。



ちょっと一言

時どきテレビで「悪徳業者による無意味な耐震補強工事で高額な工事代金を支払った」ことが放映されています。数年前、当社でも被害にあわれた御年配の方から相談を受けました。最初はほんの軽微な工事のつもりだったはずなのに建物の所どころの不都合な理由をつくられ不安をあおり、結果的に意味のない補強工事で1000万円の工事になってしまったとのことです。テレビでよく観るそのものです。精神的にも参っておられるので少しでも手助けになればと思い市役所の担当課へ被害者の方と事態の説明に付け加え法的な処置ができないかと話をもっていきましたが市担当課も手に負えない結果となりました。

裁判による解決策もあるかもしれませんが結局は裁判の精神的負担の方が大きくあきらめることとなりました。

相手はその道のプロです。まともな人たちではありませんから。

これをご覧になられた皆様もご注意ください。

 

ご参考になればいいのですが業者を選ぶ基準の一例として、

・県知事や国土大臣の建設業の許可を得ているか確認!(許可は公に認められた証ですから)

・会社の所在地は貸りた物件の場所ではないか確認!(都合が悪くなると逃げやすいので)

・担当者の人相、愛想で決めてはダメ!(この人だったら任せられると思わせるのもテクニックらしいです。)

・実際の施工実績(現場)を見る!(工事された方の感想を聞く)

・工事によっては国、県、市町村の補助があります。対応してくれるか確認!(この手の業者は面倒な手続きはしない)

 

また耐震工事であれば公に認められた耐震診断資格者による診断をします。そして構造計算によって耐震計画を立て、工事中も検査を受けながら工事を進めていきます。

 

構造計算無しの長年の勘で頼る耐震工事では今後予測される地震で倒壊する危険性があるかもしれません。

いろいろな現場で見受けるのですが「金物をたくさん使ったから安心」ということで実際に意味もなく建築金物が使われていることがあります。

代用で間に合うからと言って専用金物を他の使い道に利用されては強度的にも当てになりません。

建築金物には使い方が決められ強度試験や研究に基づいて認定を受けて作られています。

 

誤使用されている一部業者さんたち、信頼関係を築くためにもこの道のプロであってほしいです。